大福うどん@福岡市(福岡のうどん)
気付いたらば4月も終わりかけ。
前回の更新から1月近くも経っていて、あわてて更新。
博多のうどんをすっかり好きになっている。
博多のうどんの特徴は、麺がふわっと柔らかい。汁(西日本:出汁(福岡:すめ))は、どこまでも薄色透明。新鮮な青ネギ(入れ放題)。そして何より、ごぼう天(ごぼてん)。
ともかく、ごぼう天が入るとすっかり博多のうどんという感じがする。
ごぼう天をうどんに入れる発祥が博多なのかどうか分からないが、博多周辺の九州各県、あるいは恐らく山口県あたりまで、ごぼう天はうどんに入れる最もポピュラーな具。
一般には丸天も博多うどんの主要で特徴的な具とされ、確かにどのうどん屋にもメニューにあるが、注文している人を一度も見たことがない。逆に、ごぼう天を注文しない人を見かけないくらい、ゴボ天は一般的だ。
しかし、自分が博多うどんを好きになっている理由はごぼう天ではなく、むしろ、コシが無いと表される、柔らかい麺にある。表面がぬめっと優しく柔らかく、芯のところでいわゆるコシを感じる。柔らかいとは言っても、東京における立ち食いそば店でのソフト麺的食感とはまったく別物である。
(実のところ、博多うどんだけが特別なのではなく、少なくとも佐賀、大分あたりまでのうどんの特徴は、博多のうどんと同一であることを確認している)
そんな博多うどんの特徴を手軽に感じることができるのが、今回の大福うどん(手軽とは言っても、東京から九州に行くこと自体が全く手軽では無いのだが。。)。
博多駅の地下街にある。(以前は2店あったが、博多駅再開発の影響で、現在地下街では1店舗のみ営業している。ところで天神にはうどんすきで有名な別の大福うどんが存在するようだが、この店は今回の店と関係があるのでしょうか??)
博多うどんが初めてなら、悪いことは言わないから、ともかくごぼう天うどんを注文すべき。福岡(および九州各県)のうどんはごぼう天がないと始まらない。
ここまで来ると、東京のうどんとはまるで別の食べ物である。
特に汁の色、ネギの色は全く正反対。
こういううどんを初めて食べる関東東北人には、黒くないつゆは全く物足りなく感じるし、緑色のネギに至っては、ケチって葉っぱまで入れるんじゃねーと発狂せんばかりである。
しかし、食べ慣れてくると、このうどんというのが実に良く分かってくる。
そして、うどんが柔らかいのは、九州で採れる小麦の性質によるものである。今回詳しくは述べないが、日本の各地でのうどんの食味食感の違いは、その土地その土地で採れる小麦の違いに寄るところが大きい。おそらくは、水の性質の違いも大きいと思う。
汁の色、ネギの色の違いも同様に背景があるはずだ。
大福うどんのうどんであるが、博多のうどんの最大の特徴であると言って良い、ふわっと柔らかく、しかし芯にはコシのある麺を今も伝えている。(今思うと、確かに美味しかったのだが、「かろのうろん」のかしっとしてしっかりした食感のあるうどんは、博多のうどんでは一般的ではない。博多うどん的であるとした「かろのうろん」の記事について訂正をさせて頂きたい)
時間帯によって、入れ放題だったり最初から入っていたりするが、シャキシャキとした緑色のネギは、薄味薄色のすめ(汁)と、柔らかコシのうどんに実に良くあう。
博多駅地下街の大福うどんは、博多うどん(ひいては九州のうどん)とは何ぞや?という問いに、実に手軽に答えを得ることの出来るうどん店である。(と思いました)
大福うどん
福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1
TEL:092-441-6628
夜には居酒屋になるようだ。
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Comment
ずいぶん昔の情報へのコメントになります。また私的な考察であることをお許しください。
丸天はかつて博多うどんの代表的な具材でした。しかし、200海里の漁業制限が実施された後、丸天の原料である魚が捕れなくなり、急速に味が落ちたことと価格の上昇で、具材の王者の位置からすべり落ちたと思います。ごぼ天はたぶん福岡周辺部の具材だったのではないかと推測しますが、丸天と交代するように具材のトップに登りつめたようです。
なら様。遅レスですみません。。
とても貴重な考察ありがとうございます。
博多うどんにおける丸天の地位がどうしても理解できずにいたのですが、まったくもってなるほどと感じ入る考察です。九州うどん長いこと食べに行けていないのですが、今度行けたあかつきには丸天を食してみたいと強く思いました。ありがとうございます。