鷹＠三鷹市（武蔵野うどん）

こちらは駅としては武蔵境駅になるのだろうか、地番としては三鷹市深大寺、徒歩だと駅から20分の距離、駐車場はとても広い。

ところで。

過去にもちょいちょい語っているが、自分がうどんにはまるきっかけになったのは「多摩の蕎麦、うどん名店77」という本である。自分にきっかけを与えてくれたバイブルだ。

この本では東京多摩地区の蕎麦・うどん店を計77店紹介している。今、この本を書棚の奥から引っ張り出してきて数えてみたら、そば店58店に対してうどん店19店でうどん店は全体の四分の一であった。が、自分が興味を引いたのは数少ない方のうどん店の方だった。

当時全く知らなかった「武蔵野うどん」なるものの店が多く紹介されていた。

つけ麺で食べるそのスタイルや、ゴワゴワして褐色に色付いたその見た目に非常に感心を持ったのである。

そしてしばらくの後に実際に食べ、そして衝撃を実際にも受けたことがきっかけとなり、武蔵野うどんを始めとして全国のうどんを食べ歩くようになった。

余談だがその初めての武蔵野うどん店は「ますや」だからここには特別な思い入れがある。当初食べ歩いた店も時を経てかなりの店が現在閉店や休業となってしまっている。いた仕方がないことではあるがやはり寂しい。

「ますや」は前述の本の紹介によると昭和45年創業というから武蔵野うどん店の中ではかなり老舗の部類に入る。そして多くの店が閉店する中まだ健在とのことだ。どうぞ末永く。

話がそれてしまったが、その「多摩の蕎麦、うどん名店77」に紹介されていたうどん店の多くはここで紹介していたが、武蔵野うどんの部類に入ると思える今回の「鷹」についてはなぜかここで取り上げていなかった。「鷹」以外にも、今回のブログ大幅リニューアルにあたって過去記事を見なおしてみると、行ったのに紹介していない有名店、行ってもいない有名店が数多く残っていることに改めて気付かされた。

なので今回は過去には行っていた「鷹」を取り上げたいと思う。がしかし前回の訪問日は2006年3月ということであまりにも時を経ているので改めて訪問した次第。

車道横にどーんと佇む姿は何も変わらない。

店内に入るとさすがに記憶になかったが、左に座敷席、右にカウンターとテーブル席が並ぶ様は以前と変わらないのであろう。

どこでも、とのことだったのでお一人様だが座敷に上がらせてもらった（開店直後なので先客は一人だけ、人気店だがまだ空いていた）

メニューには以前にはなかったと思われる「肉汁うどん」があったが、これは天ぷら付きの「天ざる」メニューでしかないとのことだった。1000円オーバーになるし、齢とってめっきり食が細っている自分は（＞＜）以前とおなじ「もりうどん」を注文した。（ざるもあるがこれは刻み海苔が乗せられる）

肉汁は諦めてしまったが、つゆ・めんはあたためできます、と書かれていたので「めん」をあたためでお願いした。

そして。

写真ではそう見えないかもしれないが、麺は薄く褐色に色づき武蔵野うどんらしさ全開。

すこし平たく太い麺が四角なざるに、つややかに美しく横たわっている。

薬味は刻みネギとわさび。

まずは薬味を入れずに食す。

うまい。

ええ、間違いない。まったくうまい武蔵野のうどんだ。

固めだが絶妙に噛みごこちがあって、そして噛み締めて小麦が香る。

つゆは温めて正解。

やはり武蔵野のうどんはつゆが温かいほうが小麦がより香ると思う。冷たいvs冷たいよりも。

麺をあつもりにしたほうがより小麦が香ると思うが、その場合冷たいうどんにあるしっとりとした食感は犠牲になる。難しいところではある。いずれにしても好き好きだけどね。

つゆそのものも甘みがあってしょっぱさがあって、出汁はしっかり効いていてまったくいい塩梅。

当時も今も近隣の人気店。

そうこうしているうちに、次々来客。

8年ぶりに改めて、武蔵境深大寺というこの武蔵野南部の武蔵野うどん店に感動した次第。

さらに余談を追加して。

前述の本によれば東村山の「小島屋」が創業39年で本で紹介されてる中ではもっとも古いうどん店。しかし一方の蕎麦店のほうでは明治や大正期に創業された店もちらほら紹介されている。

やはり多摩地区におけるうどんは農家で手打ち消化される日常食やハレの日の食べ物であって、近年までは店で食べるものではなかったのであろう。と思った。

鷹

東京都三鷹市深大寺1-7-20

TEL：0422-32-1881