元祖田舎っぺうどん 厨房店@熊谷市(埼玉のうどん)
取り上げるのが遅きに失した感のある、言わずと知れた「元祖田舎っぺうどん」である。
熊谷市を中心に埼玉県内に複数の店を持つ人気店だ。
そして私は少々悩んでいる。
一般的に、この店は武蔵野うどんの店と言うことになっている。
しかし、自分の感覚では埼玉の北端の熊谷市に対して武蔵野と呼ぶことに違和感がある。自分の感覚での武蔵野の範囲はもっと狭いのだ。
それに、埼玉中北部から群馬にかけてのうどんは、温かい汁に冷たい麺を付けて食べるという武蔵野うどんと共通の特徴をもつが、うどんの色は白色系であることが多く、武蔵野の黒っぽい麺とは明らかに差がある。つけ汁も、きのこや野菜が多く入って、より田舎汁的な雰囲気がある。武蔵野うどんで言うところの、茹で野菜「糧」が付け合わせについてくることもあまり無い。
武蔵野の地勢的な範囲の感覚もさることながら、うどんそのものの特徴も、武蔵野うどんとは明らかに差異が感じられるのだ。
しかしながら、一般的には武蔵野うどんと言うことになっている。
何も考えずに自分も武蔵野うどんということにしておけば悩まずにすむのだが、しかしでは、前橋や高崎などの群馬の付け麺うどんまで武蔵野うどんと呼ぶだろうか?いくらなんでも、群馬に武蔵野は無いだろう。かつての武蔵国の範疇ですらないのだ。
そして、埼玉中北部のうどんは武蔵野うどんよりも、群馬のうどんとの共通項の方が多い。自分の中では(関東北西部の付け麺うどん)=(武蔵野うどん+埼玉中北部~群馬平地部のうどん)なのである。
そんなわけで、かつてから同じ事で悩み、群馬のうどんに対しては「上州うどん」、埼玉北部のうどんに対しては「埼玉うどん全般」などという苦しいカテゴリー分けをしていたが、もっとすっきり分けれる良い呼称は無いものか。そもそもそんなことする必要は無く、武蔵野うどんでひとくくりにするべきなのか。
(どうやら、前も同じ様なこと書いてたな。。)
にしても「埼玉うどん全般」は無いだろうと思ったから、今回は「埼玉北部のうどん」ということにしておいた(が、すっきりしない)。この辺、いずれ整理します。
塩味のつけ汁が自慢のメニューとのことなので、塩きのこ汁うどんを注文。
極太のきんぴらごぼうも「田舎っぺ」の特徴だ。
ここに来たからには注文しておく必要がある。
メニューには大盛り以上の盛りで1kg、2kg、果ては3kgの盛りまである。
きんぴらや、kg単位での盛りなど、「田舎っぺ」のスタイルを持つ店は埼玉には多くある。「きくや」が武蔵野うどんの1スタイルであるのと同様、この地域では「田舎っぺ」が1つのスタイルなのである。
考えてみると、池袋の「うちたて家」も田舎っぺ系だよなぁ(武蔵野うどんではないようなぁ)。うどん湯が出てくるのも田舎っぺスタイルだろう。
ステンレスでピカピカの内装は、「田舎っぺ」他店とは違い現代風だ。数年前に改装されたとのことだ。
太麺がガッと盛られている。
色はうっすらクリーム色。
かなり固め。ギュッとしている。がっつり系のうどんだ。
この固麺、がっつり麺も、武蔵野うどんの固さとはちょっと違う固さじゃ無いかな。。
噛みしめて食べるうどんである。
人気の塩つけ汁もすっきり旨い。
店はお客さんで一杯。昼時に行ったら並んでて順番待ちだった。
そして他の「田舎っぺ」の店も同様に大繁盛なのである。
元祖田舎っぺうどん 厨房店
埼玉県熊谷市代1061-1
TEL:048-521-8784