よし井そば＠堺市（大阪のうどん）

大阪に戻ります。
大阪には蕎麦をあつもりで食べる文化があるようです。
暖かい蕎麦をせいろで食べる。堺市のちく満というのが有名店。
生卵に熱いつけ汁をそそぎ、熱い蕎麦をつける。
しかし実はこのような食べ方は蕎麦だけではなくて、かつてはうどんでも同様の食べ方があったとのこと。
江戸時代に「うん六」という店がうどんのあつもりを出していたらしい。詳しくは自分は知らないけど。
しかし現代に至ってもごくわずかではあるが、その当時のスタイルでうどんを供してる店がある。

そのうちの一店、よし井そば。
基本的にそば屋さんなので、ほかの客はみなそばを注文してる。
またあつもりのせいろじゃなくて、みんな普通のかけ出汁系のそばを注文してました。

メニューの文字読めるかな？
上段の「せいろうどん（雲六）」。これがうどんのあつもり。
うどんのあつもりを始めた店「うん六」の店名が、「雲六」として今に品名として伝わっている。
注文したのはその隣。「せいろ相のり」と書いてある。そばとうどんの合い盛りのことだろうな、と思って聞いてみたら。他の店でも「あいのり」って言ってたから、大阪では合い盛りを相のりというのが普通なのだろうか？

すごく湯気が立っていてあつあつ。
お椀に卵。これはせいろが出てくる前に供されるので、本来はその間に卵をとくのだろう。
アツアツの小とっくりにはいったアツアツのつけ出汁を注ぐ。これは結構味が濃いので少な目が吉。
左にちょっと見えてるのはごはん。これに取り放題のかつお節をたっぷりかける。
さて、そば、そしてうどん。
そばもうどんも思ったよりしっかりした食感、朝一で店に入ったからか。
あつあつのそばとうどんはふかふかで、ほっとする味。
そばもうどんもどちらも味も香りも強くないが、この優しさが大阪のうどん（そば）の本領なのだと思う。
卵にからんでさらにふんわりとおいしい。
うどんはともかく、そばをあつもりというのは珍しい、がここはうどんブログなので。
うどんのあつもりは武蔵野うどんではおなじみだが、大阪のこれはごっつい武蔵野うどんとは正反対のふかふかうどん。
この形態でうどんを出す店は大阪でも数えるくらいしかないからもはや絶滅危惧種だとおもうが、なくしてしまうには実に惜しい。
もう一軒行っているのでそれはまた次の次の次くらいで。
そこでもう少しこのうどんについて掘り下げよう。

よし井そば
大阪府堺市堺区甲斐町西1-2-22
TEL：072-221-5744