うさみ亭マツバヤ@大阪市(大阪のうどん)
大阪のうどん屋でどうしても行きたかったのがこの店。
明治創業の老舗うどん店。
もう亡くなってしまっているが2代目の主人が有名人で、本も出している。
その本を読むと大阪のうどんの歴史が窺えて、大変興味深い。
その頃の店名は「松葉家」だったが、今は代替わりしたからなのか、「うさみ亭マツバヤ」という店名になっていた。
そしてこちらの初代が考案したとされているのが、この「きつねうどん」だ。
「きつねうどん」は、もちろん大阪うどんのゴールデンスタンダード。東京の蕎麦屋でのそば・うどんのメニューにも「たぬき」と並んでメニューの始めの方にほぼ必ずある。
(ちなみに個人的にはあげの甘い汁がうどんの汁に混ざってしまうのが好きでないので、きつねうどんを食べることはまずない)
松葉家がきつねうどんを作り出したのちに、大阪を代表するうどんのメニューになった経緯は良く分からないが、とにかくこれは歴史的メニューであるので必ず食したいと思っていた。
写真を見て分かるように、大阪のうどんらしくなく汁はかなり黒っぽい。
とはいうものの見た目こそ東京のうどんの汁に近いが、味は非なるものと言って良い。
が、それほど印象強い味でなかったのも確か。うどんもまたしかり。うどんとは元来、主張の強い食べ物では無かったに違いない。
ともかくも歴史的うどんを食べれたことに満足して店を出る。
店の脇に石臼が置かれていた。かつては店で粉も挽いていたのだろうか?
ところで、実はこの店でもうひとつ食べておきたいメニューがあった。
店を出た後、散歩したり、大阪城に行ってみたりした後、またこの店に戻ってきた。
そして食べておきたかった「おじやうどん」を注文。
うどんとおじやを合体させたという「おじやうどん」は2代目が戦後の食糧難の時代に作り出したメニューとのこと。「きつねうどん」と並ぶ、「マツバヤ」の代表的メニューだ。
平べったい鉄鍋に、沢山の具と共にうどんが盛られている。
米の姿はこの時点では見えない。
具とうどんをかき分けると、底に米が沈んでいるのが分かる。
その名の通り、おじやうどんだ。
こちらも強い味の印象は無かったが、バランス良い味であった。
大阪のうどんの歴史を今に伝える、貴重な店である。
うさみ亭マツバヤ
大阪府大阪市中央区南船場3-8-1
TEL:06-6251-3339
さて、大阪うどんについてはここまで。
もう2軒ほど行ったが、特筆すべき点は特になかったので。。
大阪うどんの全体的な感想としては、正直、普段ちまたで聞くほどのおいしさや特徴は感じられなかったこと。
とは言え大阪中心部の何店舗かを回っただけなので、これだけで大阪うどんはこうだとは断じることが出来ない。
また大阪でうどんを食べる機会もあるだろうから、大阪のうどんについても今後の検討課題としておこうと思います。
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