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ますや@東村山市(武蔵野うどん)

最初に行った武蔵野うどん店が東村山の「ますや」だ。

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実をいうと、始めからこの店を目指したわけではない。「武蔵野うどん」に興味を持つきっかけとなった本「多摩の蕎麦、うどん名店77」を見て、最初に行こうと思った店は、有名店「小島屋」だ。実はこの時既に別のうどん本(日本全国絶品うどん図鑑 2005-06)も手に入れていて、その本にある「小島屋」の写真は古い木造の外観がいかにも、な感じで興味をそそられた。本には「武蔵野うどん」の老舗とも書いてある。兎にも角にも本に紹介される店舗の中で一番興味が惹かれたため、「武蔵野うどん」を食べに行こうと思い立ったとき、まずそこへ車で向かった。

東村山近辺の複雑な細い道を抜けた交差点に「小島屋」はあった。本の写真の通りの古ぼけた味のある建物だった。本には駐車場があると書いてあったので探すが、見あたらない。少しうろうろするが、どうやら建物裏のどう見ても民家の庭みたいなところがそうらしい。しかし、うろうろしている時に店をよく見ると暖簾も出ていなく、どうやら休みであるようだ。仕方がないので、別の店に向かうことにした。

次に向かう先も今回の「ますや」ではなく、次に興味を惹かれた店「とき」だ。ここは強面の頑固オヤジのような店主がやっている。その写真のうどんが実においしそうで、次の目的地に決めた。先ほどの「小島屋」に行く道よりもさらに複雑で細い道を進むが、店が見つけられない。自慢のカーナビをあてにして周囲とナビを見ながら注意深く進むが、結局見つけられなかった。一回違う道に出て別の方面から再度「とき」に向かおうと決めた。

とにかく東村山周辺は道が複雑だ。線路も複雑に絡み合い、踏切も多い。そんな踏切の一つにかかって踏切待ちをしている時にふと前方に、手打ちうどんの看板が見えた。「ますや」と書いてある。そう言えばそんな名前の店も前出の本に紹介されていたことを思い出し、入る店を「ますや」に決めた。

ちなみに「とき」へは後日行って食べることになり、今のところ(たぶん今後もずっと)ベストうどん店となっている。

ようやく「ますや」の話だ。なお当記事は「うどん店ガイド」ではなく、あくまで「うどんコラム」なので話が冗長でもお許し下さい(言い訳)

外観はこじんまりとした、民家のような店だ(武蔵野うどん店はどこもそうなのだが)。暖簾が下がっているのを確認して店に入ると、左手にあがりがまちがある座敷にテーブルが2つ3つ、右手に5、6席のカウンターだ。店内も民家チックであった。座敷に1組、カウンターには左右の端に1人ずつの先客がいた。

自分はカウンターの真ん中の席に座った。メニューは見あたらず、目の前の厨房ごしの壁に貼られた張り紙にそれらしきものが書いてある。いかにも常連然とした両隣の先客になめられないように、「肉汁うどんのあったかいの!」てな感じで注文した。店は本にもあったとおり、「おばあちゃん」が仕切ってやっている。他に「近所のおばちゃん」のような店員が1人か2人かいた。カウンターには何種類かの天ぷらがバットに載せられていた。「おばあちゃん」に「天ぷらはごにょごにょでいい?」なんて聞かれたが、ごにょごにょの部分が何て言ってたのかよく分からないので、てきとーに「それでお願いします」なんて返事した。

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うどんは既に茹でられていて、せいろのようなもので蒸されてざるに載せられ、豚肉の入った付け汁と、何種類かの天ぷらとともに出された。さっそく箸を手に取り、付け汁を付けてうどんを食べる。

素朴だ。茹で置きなので麺は適度に柔らかく、もにもにしてて、とてもおいしい。表現はやっぱり「素朴」というのが一番しっくりくる。そんな優しい感じのうどんに自分は、あーうまいなぁ、と思ったのでした。ということで、この時以降、武蔵野うどんをもっと知りたいと思うようになった。

壁のメニューには麺のおかわり出来ます、と書いてある。そこで、うどんを食べ終わると間髪入れず、おかわりを注文する。おかわりを食べている時、左隣の客が会計となった。すると「おばあちゃん」は「おかわりは?」なんてその客に促す。客はちょっと慌てた感じで、「そうか、そんなのがあるのか、、じゃあおかわり」。って自分は、「なんだこの客は常連じゃなかったのか」って思い、客に身構えた自分が馬鹿らしかった。自分も食べ終わり会計をしようとすると、右の客が「本に載ってたので来てみた」なんて「おばあちゃん」に話している。げっ、どっちの客も自分と同じ一見さんではないか。なんだ馬鹿馬鹿しい。

まあ、そんなことは全くの余談で、主人の「おばあちゃん」といい、優しい味わいのうどんといい、「武蔵野うどん」にはまるきっかけとなった「ますや」でした。

後でもっと調べると、最初に行こうと思った「小島屋」はテレビなどでもかなり紹介されている有名店なので、最初に行った店が「ますや」だったのはミーハーチックでなくて良かったと思う。また、次に行こうと思った「とき」が最初に行く店だったら、次以降に行く店のうどんがみんなチープに思えてしまっただろうから、「とき」も最初の店でなくて良かったと思うのである。

なお、武蔵野うどん店は「小島屋」と、さらに行列が出来るほどの「きくや」の2店が、良くメディアに紹介される有名店であるようだ。

ではまた。


ますや

東京都東村山市久米川町4-33-10

TEL:042-393-9481

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Comment

  1. いさ より:

    私もここ1年で武蔵野うどんのファンになりました。その中では「とき」もすきですが、茹で立ての「ますや」のうどんは超ストロングですよ。朝一番にその日のうどんを茹で上げ蒸籠にとりますから、あとは常連さんがどのレベルのうどんを食べるか自分で来店時間を見計らうそうです。
    わたしは茹で置きの麺を美味しく頂いたら、ますおばあちゃんが茹で立てをわざわざ作ってくれたのを食べ、衝撃を受けました。ぜひ開店と同時に試してください。

  2. eg より:

    どもども。
    自分の武蔵野うどんとの出会いは「ますや」でした。
    「ますや」で武蔵野うどんにハマッタにもかかわらず、それ以来行っていなかったです。
    貴重な情報ありがとうございます。
    「ますや」はその素朴さのせいか、「きくや」や「小島屋」と比べて目立たない感があります。迂闊だった。。
    茹で立ての「ますや」のうどん食べたいー。これは行かねば!
    朝一は得意ですっ。
    近いうちに再訪して、またレポ致します。

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