まるき@京都市(たぬきうどん(京都))
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たぬきうどん(京都), 京都のうどん, 京都市, 京都府
だいぶ以前にも京都のうどんを取り上げていたが、昨年改めて行って知見も少し変わったので改めて。
京都のうどんは大阪のうどんと同じく出汁を重視しているが、大阪よりもさらに繊細な印象。
うどん自体は概して柔らかいが特徴はさほどなく、汁物の「具」の一つとしての「うどん」という感じ、うどんの丼全体として「料理」として成り立っている感じを受ける。
そういううどんだから、冷たいうどんというのは京都のうどんの食べられ方としては本流ではないだろうと思う武蔵野うどんなどとは真逆。
そして温かいうどんの食べられ方として京都に多いのは「あんかけ」系のうどん。
今回取り上げる(京都の)たぬきうどんもあんかけなのだが、それ以外にもあんかけ系のメニューは多岐に渡る。京都のうどんの本髄はあんかけにあるような気もしている。
まだまだ前置き。
「たぬきうどん」について。
関東でたぬきうどんといえば、かけうどんに揚げ玉(天かす)をトッピングしたものというのが常識。
しかし大阪にはたぬきうどんは存在しない。
「たぬき」というとそれは「たぬきそば」のことでその場合かけそばに甘く煮付けた油揚げが乗ったもの
。つまり関東でいうところの「きつねそば」。
大阪で「きつね」というと「きつねうどん」のことで、これは関東でいうところの「きつねうどん」、つまり揚げがかけうどんに乗ったもの。
これらは単に「たぬき」「きつね」と呼ばれる。「たぬきうどん」「きつねそば」は存在しない。
大阪で関東でいうところの「たぬきうどん」すなわち天かすが乗ったうどんは「はいからうどん」と呼ばれるが、うどん屋に必ずあるメニューではない。大阪では天かすは無料トッピングであることが多く、わざわぜメニューに乗せる必要もないからだ。天かすがサービスでない店も多くなってきているようだが、そういうわけだから関東ほど天かすが乗ったうどん(たぬきうどん、はいからうどん)は、大阪ではメジャーでは内容に思う。
前置きが長いですねえ、すみません。
さて、京都における「たぬきうどん」。
これは大阪ともまた違う。(以前にも一度説明しているし、そもそも冒頭で種明かししてるけれども)
ということで、今回京都で「たぬきうどん」を食べたお店は「まるき」。
賑やかな河原町、錦市場の中にあって老舗の蕎麦・うどん店であるが「親子丼」がかなりの人気メニューらしい。
しかし自分の目的は「たぬきうどん」だ。
(親子丼に後ろ髪ひかれながら)堂々と「たぬき」を注文。
店員からは「たぬきうどんはあんかけになりますが・・」と親切に言われたけれども大丈夫。
そしてしばらくの後、たぬきうどん(京都)。
見ての通り関東でのたぬきうどんとはまるで違う。大阪のたぬき(そば)とも違う。
刻んだ揚げとネギを「あん」でとじたものがトッピングされた、そういううどんだ。
つまりは大阪でのきざみうどんのあんかけバージョン。
どうして京都における「たぬきうどんが」このようなものになったのかは説はあるようだけれども、何にせよ京都でたぬきうどんというと、あんかけのきざみうどんということになる。(きざみうどんは大阪のうどんメニューで刻んだ油揚げ(味付けなし)がトッピングされたもの)。
そしてこの「たぬきうどん」だけではなく、あんかけ系の京都うどんにはおろし生姜が乗せられる。
これが繊細な京うどんの出汁と濃厚なあんかけによく馴染んでしんみりと体の芯から温まる。うどんに生姜は苦手な自分だけれども、この京都あんかけうどんには生姜は必須。(生姜が必須なうどんは他には小倉のどきどきうどんもそう。他のうどんには生姜の必然性が感じられない自分がいる。。)
ここまで、たぬきうどんの説明ばかりでお店についてはまったく書いていませんでした。
錦市場の老舗店とあって、つぎつぎお客さんがやってくる。観光客が多い。京都らしく外国人観光客もまた多い。ひっきりなし。
そういうわけだから「たぬきうどん」についても県外から来てる自分のような観光客にわざわざ説明する必要があったのだろう。
うどん自体はまったくもって京都のうどん。
出汁もうどんも優しく統一感があって、しかし主張はしない。
はんなりといただくうどんそれが京都のうどんで、こちらのお店のたぬきうどんもまったくはんなりであった。
しかし大衆店であるので京都とはいえ気取るところは全くない。
京都の庶民のうどんの原点を感じ取れるお店だと思いました。
まるき
京都府京都市中京区錦小路通御幸町東入ル大日町402
TEL:075-221-5927
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Comment
はじめまして関西大学の吉田と申します。京都「まるき」食堂の「たぬきうどん」の画像を現在執筆中の原稿に使わせていただきたいのですが、お許しいただけるでしょうか。出典は明記しますが、何か条件があればおしらせください。私自身は京都の人間ですのでいつでも撮影はできるのですが、なかなか機会がなく、こちらのブログのものがイメージがぴったりですので、ということです。