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むさしの@九段下(路麺(関東))

路麺ると言っておきながら、ちっとも路麺ってなかったから今日は路麺。

立ち食いのうどん。

なんで今さら路麺かということについてさらっと。

東京の立ち食いそば・うどん店は蕎麦が完全に主流。ネットや書籍上のレビューも蕎麦についてがほとんど。評判の良い店もうどんについてはどうか良くわからない。自分で確かめるしかない。ということで「うどん」がおいしい路麺店を探す旅に出ているのです。

この頃の小夏日和のじんわり暑い中、飯田橋・九段下まで自転車ではるばるチャリチャリやって来ました。

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「むさしの」。平日のみの営業。

オフィス街の只中にあってパリっとスーツの男女が闊歩する中、ジーパンTシャツでチャリンコの自分は浮きまくってるけどまあいいか。

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「開業以来45年…」

ほほう。すっかり紛れもないおっさんになった自分の生存年数を軽く上回る。老舗だ。

「以来…天然だしを使用…」

なるほど、良いじゃない。無化調は自分も賛成するところ。(化調は化調で適材適所だと思ってるけども)

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券売機が一風変わってる。

品名じゃなくて金額のみがずらっとボタンになっている。100円単位のと、10円単位のと。

これは注文カウンターに設置されていて、注文をするといくらですよ、と言ってくれるのでそれにしたがって券売機の食券ならぬ金券を購入するということになっている。どうしてこうなったのかは聞いてないので知らないのだ。

こうした東京における路麺店での王道は天ぷらうどん(かき揚げ天)と思うに至っている自分。こちらでもかき揚げを頼みたいところだが、紅しょうが天というなかなかに魅力的なメニューもあって葛藤の末、紅しょうが天うどん+卵を注文。

余談だけれど「うどん」と告げずに注文し始めたところ、早くもそばをテボに入れて湯につけようとされかけて、あわてて「うどんで」と注文。やはり東京で路麺店では「そば」が当たり前に当たり前なのだ。

蕎麦より時間がかかると言われてうどんを待つ。

うどん出てくる。

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やあ、まったくもって東京の正しき立ち食いうどんのうどんだ。

まずもって汁は黒い(こちらの店はそこまで真っ黒ではないけども)。

かき揚げはでーんと平べったくしかし厚みがある。揚げたてでは当然ない。

そして白ネギの刻み。

受け取りのカウンターに輪切りの唐辛子があったのでそれをファサッと入れる。

食す。

うまい。

こだわった汁は当然にうまい。

ガシガシに香る出汁ではないけども、すっきりとまとまった汁はほんのり甘辛く実に良い。化調に慣れた舌には物足りなく感じるかもだけど、そうじゃない、旨味成分本来の優しい味がしみる。

かき揚げはどうだろう。路麺店におけるかき揚げはやっぱりこうだろう。揚げたてもうまいけど、この揚げ置きの汁がじんわりしみるかき揚げ。これだ。

紅しょうが天はうまいんだけど、今回この店ははじめてなので、ここは王道の普通のかき揚げにしておくべきだったかなとは思った。紅しょうがの酸っぱさがアクセントとなっていつもと違う天ぷらうどんになって、そしておいしいのは間違いない。

主役のうどん。

うどんも当然ゆで麺だけれども、関東うどんらしさをしっかり保つ、ぎゅっとした小麦の密度を感じるうどん。手打ちの茹でたてうどんとは違って硬さはなくとも、密度はある。これこそ関東のうどんかな、と思う。そして自分はこれが好き。

ところで卵を追加で入れてるけれど、これも路麺店では王道と思ってる。うどんと天ぷらだけでは足りないと思われる栄養と腹持ちを補充するためだ。味が美味しくなるかというとこれは議論したいところ。それよりなにより、生卵を入れた場合の卵の食しかた。これは大いに論じたい、議論したい。しかしすでに長文のため、また次回以降の路麺店話の際に触れていきたいと思う。

長くなったけど、創業45年(以上?)は伊達ではない。

オフィス街だけど、この一角だけ不思議と「商店」の雰囲気を残していて、それがまた地域に根ざした歴史を感じさせた。

間違いなく「うどん」のおいしい路麺店の一つであった。


むさしの

東京都千代田区飯田橋2-1-7

TEL:03-3261-9628

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